2023-01-01から1年間の記事一覧
わたしの手もとに、頂いた古いキヤノンのレンズが七本ある。そのどれもがフィルム全盛時代のものだ。カメラもあったけれど、これもフィルムで撮るEOS-1V(hS)という馬鹿でかいやつだ。10年ほど使っていなかったようでバッテリー室は案の定アルカリ乾電池…
東尋坊 東尋坊を後にして次に向ったところは、かつて北前船の寄港地として栄えた三国湊である。今では鄙びた漁村なのではないか、などと想像していたらそれは大きなまちがいだった。 ベンガラ色の「三国湊町屋館」 旧・岸名家(入館料100円) 岸名家は、代々…
JR北陸線・福井駅 来年の三月には北陸新幹線が敦賀まで延伸するという。その前に、一度も福井には行ったことがないという連れ合いと共に、みたび永平寺や二度目となる東尋坊を訪ねてみようか、などと考えて小さな旅を企てた。さらに『独楽吟』などすっと心に…
旧川本楼(町屋物語館) 大和郡山市が購入し耐震化工事の後に一般公開。入館無料。 玄関内部(写真の間) 壁には娼妓の写真が飾られていたという。床にある池では金魚が優雅に泳いでいたようだ。 くつ脱ぎ場 左の部屋が娼妓溜 娼妓溜 建物内部から屋外を望む…
大和郡山を訪ねるのは四十余年ぶりだろうか。郡山城は以前に訪れているので、二度目の今回は、町屋を尋ね歩く旅と決めていた。さてどんな町屋に出会えるだろうか。 駅前商店街の酒屋さん まるで造り酒屋さんのような建物だ。 正面はというと…下街道との交差…
ご無沙汰しております。京都御苑の西側、烏丸通りの西に東西に走るちょっとばかり狭い通りがある。その通りは江戸時代には京の台所といわれた市場だか、魚問屋が軒を連ねていたというから、賑やかな通りだったのであろう。そして意外な場所に豪勢な造りの長…
曼殊院門跡を訪ねたのは久しぶりのことである。この寺院を訪ねる楽しみの一つは、何よりも江戸時代初期に建てられた書院造りの建物にある。とりわけ廊下の造りの見事さには ため息がでる。廊下に敷かれた緋毛氈の朱色と庭園の緑とのコントラストがとても美し…
御池庭 本降りの雨の日を選んで、古くて重たいカメラ(骨董品級)とレンズを引っ張り出して京都御所へ向ったのはGW最終日のことだった。雨の日を選んだのは他でもない、渚の石を黒く撮りたいためということにしておこう。 欅 橋 欅 橋 カメラはNikon D700と…
雨の渡月橋 写真では、渡月橋を渡る人は少なく見えるが、平日その上雨の日なのに嵐山駅前は大変な人出である。ほとんどが外国人観光客に見える。 上流で痛ましい事故のあった数日後のせいか、大堰川で遊覧を楽しむ人は少なかった。 宝厳院山門 受付のご婦人…
六条の御息所は、源氏との仲を諦めて斎宮とともに伊勢への下向を決意するの章 斎宮の伊勢へお下りになることが近づくにつれて、御息所(みやすどころ)はもの心細く思し召される。なにぶん御身分がお高いので目障りなものにお思いになっていらしった源氏の姫…
銀沙灘越に観音殿を望む この銀沙灘の白川砂、いったいどこから運んだのでしょう。白川砂は比叡山一帯で産出される白い砂のこと。主に雨水に混じり白川に流れ込んでいて、昔は白川上流には川沿いにいくつも採取業者があって、建物やベルトコンベアの残骸のよ…
近ごろ永井荷風にハマっている。荷風といえば『濹東奇譚』のように、玉の井や吉原などを題材にとった小説ばかりを書いていると思っていた。ところが荷風の日記(断腸亭日乗)を読んでいると漢文調の立派な(わたしが言うのもアレだけど)文章を書いているこ…
龍安寺石庭全景 三十余年ほど前のことだけど、寺町通を歩いていて小さな写真店のショーウインドーに目を止めた。そこには欲しかった35mmのレンズが三千円ほどで売られていた。中古だったが、その価格に惹かれて当時お金の無かった(今も無いけど)わたしは迷…
画像をクリックすると拡大できます なからぎの森を歩くのは久しぶりのような気がする。今回はモノクロームで撮ってみたい気分なのでデジタルカメラだけど試みてみた。フィルムを用いたいけれど、古希を過ぎた今となっては、体力も、気力も、財力もないのでね…
久しぶりの投稿です。昨年は年明けに義母を、年末に母を見送った。どちらも百歳という年齢であり、働きづくめの一生であったと思う。 二人ともまだ幼さが残る顔をしていたころ、関西の紡績工場に働きにでてきたようだ。二人は長女だったので家族を養うためだ…