chikusai diary

昭和という時代に どこででも見ることができた風景を投稿しています。

京都北山

紅葉の盛りに洛北芸術村を歩いて思ったこと ー 美は諧調にあり?

かつて小説家の瀬戸内晴美(寂聴)さんは『美は乱調にあり』という小説を書いた。その内容は知らないけれど、職場の同僚でキリスト教信者にしてアナーキスト(そんなんあり?)を自称していた男から聞いたその言葉が今でも頭の片隅に残っている。 お土居越し…

銀閣幻影

哲学の道 家の中に閉じこもってばかりでは気が滅入るので、きれいな庭でも見ようと久しぶりに銀閣寺まで歩いて行った。 銀閣寺総門 銀閣寺を訪れるのは実に三十年ぶりである。 本堂 受付で「本日は貸切状態ですよ」と言われたが、本当にそんな状態だった。境…

新緑に誘われ貴船神社本宮と奥宮を訪ねてみた

近年縁結びのパワースポットとして老若男女(?)に人気のある貴船神社である。縁結びを願う者はまず本宮で願い事を結び文に書いて結社(中宮)の結び処に結び合わせて祈願するのだという。霊験あらたかで願い事がかない、生涯の幸福が得られると言われてい…

貴船川に沿って花の道を歩く

昔の人はさぞかし足腰が強かったと見える。近くて遠きもの。…思はぬはらから、親族の仲。鞍馬のつゞらをりといふ道。遠くて近きもの。極楽。舟の道。人の仲。清少納言は上手いことを言う(上の二行は『枕草子』からの引用)。鞍馬山(寺)のつづら折りは本堂…

洛北貴船川(鞍馬川)沿いを歩いて見た

叡電市原駅(無人駅) 世間がマンボウまんぼうとやたらやかましかった頃、頭のまわりを泳ぐマンボウを振り払い、京都北部の貴船神社あたりを散歩しようかと思い立った。若い頃なら市中から鞍馬山まで歩くことはどうということはなかったけれど、さすがに寄る…

京都北山 巨樹の森を冬に訪ねてみた

京都市北部、いわゆる北山と呼ばれる地域に鬱蒼としたアシウスギの巨樹群があるとは、京都市民にとっても俄かには信じ難いことかもしれない。だいぶ以前のこと、クリスマスの日に出町柳から京都バスに乗り出かけてみた。アシウスギ(ウラスギ)とは京都の庭…

京都北山 ― 井ノ口山ウラスギ群生地の秋

紅葉の美しい季節に井ノ口山を歩く バス停から歩いて二時間足らずでこの場所(片波川源流域伏条台杉群生地)を訪れることができるのだから嬉しい。今までこの場所で誰とも出会ったことがないのが、とても不思議な気がする。以前は貴重な森とは思われていなか…

京都北山 ― 芦生の森の奥深く

芦生の森 由良川の源流部である芦生(あしう)は、かつては西日本最後の秘境と言われていた。京都府、滋賀県、福井県の境に位置し、植生は日本海側の気候と太平洋側の植物が共存しており、学術上貴重な種が多数存在するという。アシウスギ、ブナ、ミズナラ、…

晩秋の京都北山 ― 峠道を歩く

佐々里峠通い わたしが一年を通じてよく通ったところは佐々里峠だろうか。 標高八百メートルに満たない峠で、今は舗装された道路が開通 していて積雪期でもそこを歩けば楽に登ることができる。この 道路は広河原と佐々里を結ぶ地元民念願の道路で、開通を記…

京都 北山の夕暮れ

佐々里峠より西の方角を望む 京都大学芦生演習林からの帰り道、峠の西側で日が落ちて来た。バス停まではあと一時間はかかるだろう。撮影していたら最終バスには間に合わない。えい ままよ、とカメラを取り出し三脚に取り付けた。 ZENZA BRONICA GS-1 chikusa…

京都北山 初夏の光に息づく芦生の森

森の中へ 初夏の光を浴びて緑に輝く若葉は、「わが世の春」を迎えた歓びでいっぱいのよ うに見える。 この季節、森の中に分け入り地面に積る枯葉を踏みしめて歩くと 小さな花たち が光を浴びようと顔をもたげている姿が目に入る。まだ消えていない露に濡れた…

京都北山 由良川源流の春から夏

由良川源頭部の春は遅い。京都大学芦生演習林、長治谷作業小屋 のある場所から、日本海の見える杉尾峠までは歩いて1時間ほどか。 峠までの道の上谷は暗いけれど趣のある谷(湿原もある)である。 早春まで雪が残っており、黒々とした雪を見ることができる。 …

京都北山 由良川源流へテント泊の山旅 2

桂小屋で一泊し、二日目はさらに由良川上流を目指す。トロッコ道の崖上 から川を覗くと流れの速いところもあり、深さもあるようだ。七瀬谷出合 の下流あたりだろうか、演習林入口から入山し日帰りするならここで引き 返す距離だろう。ほとんど日の差さない所…

京都北山 由良川源流へテント泊の山旅

・ 分水嶺 出町柳から京都バスに乗り、終点の広河原で降りる。目指す由良川へは 佐々里峠から入る。峠までは車道を歩いても一時間ほどで着く。休憩を とり廃村灰野まで明るい尾根道を歩く。途中に分岐や大杉もあるけれど まだまだ先は長いので寄り道せずに、…

京都北山 春から夏へ(芦生の森)

北山の特徴 北山には雲を越えるような岩峰も無ければ、黒部川のように目のくらむ ような深い谷や轟音を谷間にこだまする滝も無い。あるのはアシウスギ、 ミズナラ、カツラ、トチノキなどの樹木が林立する美しい森と豊かな植 物相である。ほかにはこれといっ…

 京都 北山は都人の憧れの地?

京都北山に 雪月花を楽しむ 東海道の西の起点である三条大橋から北の方角を遠く望めば、鴨川の 遥か向うには屏風のようになだらかな山並みが広がっているのが見え る。あの山並みの向うには、一体どのような景色が広がっているのだ ろうか、いつか行ってみた…