chikusai diary

昭和という時代に どこででも見ることができた風景を投稿しています。

京都北山 初夏の光に息づく芦生の森

 

森の中へ

初夏の光を浴びて緑に輝く若葉は、「わが世の春」を迎えた歓びでいっぱいのよ

うに見える。

この季節、森の中に分け入り地面に積る枯葉を踏みしめて歩くと 小さな花たち

が光を浴びようと顔をもたげている姿が目に入る。まだ消えていない露に濡れた

花弁や緑濃い葉が愛しく感じる。

梅雨時のとある一日、好んで森の中に入る。小川の際に生えているシダや名も知

らぬ草花が雨に濡れて光っている。まるで生き物のようだ。

 

 

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ニリンソウ

 

 

 

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コアジサイ

 

 

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芦生の森

 

 

、ひとり川を遡行し小さな空き地を見つけテントを張る。きっと数km四方に

は誰もいないであろう。ふと寂しい思いに囚われるがそれは望んだことでもある。

夜になれば蛍の放つ明かりが三つ四つ。この時期、こんなところに蛍が出るのだ、

と不思議な気分になる(テント越しにゆらゆらと浮遊する光を見た時には火の玉

かと思ったものだ)。早々と狭いテントの中で横になるがなかなか眠れない。

テントの周りでカサコソと物音がするので目が覚める。キツネか狸でも徘徊して

いるのだろう。

 

ろくに眠れぬ夜を送り、早い朝を迎える。テントから首を出すと、あたりは朝靄

に満ちていた。予期していなかったので、慌ててカメラを持ちだし、朝靄が消え

ぬうちにと気が急いた覚えがある。しばらく経つと朝靄は森の彼方に消えていっ

た。

 

 

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由良川源流(トチノキ原生林)

 

 

 

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地蔵峠の朝

 

 

 

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