chikusai diary

昭和という時代に どこででも見ることができた風景を投稿しています。

大杉渓谷

大杉渓谷を歩く 6(大杉谷の魅力)

大杉谷の魅力は何処にあるのだろうか。 写真は1990年頃に撮影したものであるが、あえてモノクロームフ ィルムを使用したものだ(三度目の探勝での撮影)。その方が、 私の意図を表すことが出来ると考えたからである。 男の嗜好は、最後には石(陶磁器)に落…

大杉渓谷を歩く 5(深田久弥と大杉谷 )

「日本百名山」を著した深田久弥氏は、幾度か大杉谷を踏査し、世に 紹介している。 わたしが一度目か二度目の大杉谷を踏査した頃、大杉の集落でバスを 待つ間に近くの旅館で遅めの昼食を摂ったことがある。その旅館の女 将さんと思しきご婦人に大杉谷の話を…

大杉渓谷を歩く 4(冠 松次郎と七つ釜滝)

冠 松次郎氏は大杉谷を「この渓は何と云う明るさであらう。こんなに嶮しく 狭い、森林の茂った中を穿ってくる七つ釜でさへ、而ももう午後五時過ぎだ と云ふのに、その全貌を實に明るく露呈してゐる。・・・とにかく七つ釜を 中心として大杉渓谷の美観は最も…

大杉渓谷を歩く 3(甘く見ないでよ)

侮れない大杉谷 大杉谷には、大小百もの滝があるという。隠れた滝を見に行き、帰って来れ なかった人がいた、と言う話を幾度も聞いたことがある。かつての危険極ま りない桟道は無くなり、整備された危険の少ない探勝路に替わったが、それ でも滑落事故は後…

大杉渓谷を歩く 2(岩石の美 ー 冠 松次郎のこと)

大杉谷と冠 松次郎わたしは若いころに黒部峡谷のことを書いた冠松次郎氏の著作を幾度も読み返していた。氏は『大台ケ原山と大杉谷』という著作を残している。その内容の一部を紹介したい。 「堂倉山の家から半日余り大杉谷を下って、森林や、瀧や、釜などの…

大杉渓谷を歩く 1

茗溪大杉谷 山高きが故に貴(たっと)からず、というのなら、 谷深きが故に貴からず、と言い換えるのも、あり かもしれない。 大杉谷は茗溪である。雨や雪の多い日本には名渓 数多あれど、大杉谷のように断崖に幽邃な原生林 を見ることが出来、容易に河床に…