三十余年ほど前のことだけど、寺町通を歩いていて小さな写真店のショーウインドーに目を止めた。そこには欲しかった35mmのレンズが三千円ほどで売られていた。中古だったが、その価格に惹かれて当時お金の無かった(今も無いけど)わたしは迷わず購入した。何でも製造は1950年代だという、そのレンズを付けて風景や建築物のモノクロ写真を撮ったこと、撮ったこと(写りは良いとは言えなかったけど)。
後に購入したズームレンズ(80-200mm)と以前から持っていた50mmレンズの三本を持ち歩けば大抵のものは撮影に困ることはなかった。言わば35mmがわたしにとって "標準レンズ" だったといえばいいかな。それがここ数年50mmレンズでさえ広角レンズの画角に思えてきて、どうも画角が広い、広すぎるのである。それで普段は60mmのマイクロレンズがカメラに常駐しているという次第。
石庭の石が何であろうと、終日庭を眺めながらぼーとしていたいなあ。そんな人は西洋からきた観光客ばかりだった。
撮影時期:1990年頃
Nikon New FM2
NIKKOR-S Auto 3.5cm F2.8
Ai Zoom Nikkor 80-200mm F4S
T-MAX 400(専用現像液で自家現像)