フィルム
明神池 寝る前1分の「エセ―」を読んでいると次のような面白い文にであった。 行為においては無気力で、言葉だけ哲学者めいた人を私は憎む 哲学者のある者は国家の政治が無能な人間によって占められているのを見て、 身を引いた。 ヘラクレイトスは王位を弟…
いったい明神池とは何なのだろうか? 「明神池」は穂高神社奥宮境内にあって神域となっている。 「池」の成り立ちは明神岳で土砂崩れが起き、梓川支流の沢 がふさがれてできた、と言われている。…が、池とは人工的に 造られたもの、と学んだ覚えがある。自然…
・ chikusai2.hatenablog.com 久しぶりに「エセ―」を読んでいたところ面白い文にであった。 「もしもわれわれの魂が、学問をしたために一段と正しく歩むように ならないなら、また、そのためにわれわれの判断が一段と健全になら ないなら、私は私の生徒たち…
五月から六月にかけて上高地を歩いていると、いたるところに雪解け水が 流れているのを見ることができる。水の中に手を浸してみるととても冷た くて、まさしく雪解け水であることを感じさせてくれる。まだ日陰には雪 の塊が残っていたりして、注意深く観察し…
一度は行ってみたいヨセミテ渓谷。ダイナミックさでは劣るかもしれないけど、 梓川渓谷だってなかなかのもの。とりわけ雨の日 山や谷の美しさはハンパない。 梅雨時に訪れるものだけがその美しさに触れることができる。そのことが分って もらえないのが悲し…
天気の良い日に河童橋から眺める穂高連峰は素敵だけれど、 山頂部が雲に隠れた穂高を眺めるのも嫌いではない。いつ もの穂高よりも大きく見えるのだ。 初めて見る山が雲に隠れ、中腹部から裾野にかけてのなだ らかな曲線を見る時、なんて雄大な山だろうと思…
自然散策路を田代池から河童橋へ向って歩いていると、高層湿原らしき ところがある。灌木がまばらに生え、奥の方には喬木が生い茂っている。 小雨が降っていたので左手に傘を持ち、右手でレリーズを切る。三脚の 雲台は3WAY(自由雲台は雨の日には使いにく…
梓川流れる岸辺 想い出は帰らず……どこかで聞いたようなフレーズ? 朝の早い時間、大正池のほとりで撮影を済ませて田代池に向うとちょうど良い 具合に朝日が射し、靄が立ちのぼっていた。二枚の写真は一年間の時間差があ る。大して変化はないように見えるが…
30年ほど前のことだが、仕事の合間に年に2回上高地へ写真撮影に行くことが楽 しみだった。春は梅雨時を好んで向かった。その理由はヤマシャクヤクが咲く 時期であったからにほかならない。ニリンソウも丈は高くなっていたが、まだ見 ることができた。 梅雨時…
大杉谷の魅力は何処にあるのだろうか。 写真は1990年頃に撮影したものであるが、あえてモノクロームフ ィルムを使用したものだ(三度目の探勝での撮影)。その方が、 私の意図を表すことが出来ると考えたからである。 男の嗜好は、最後には石(陶磁器)に落…
「日本百名山」を著した深田久弥氏は、幾度か大杉谷を踏査し、世に 紹介している。 わたしが一度目か二度目の大杉谷を踏査した頃、大杉の集落でバスを 待つ間に近くの旅館で遅めの昼食を摂ったことがある。その旅館の女 将さんと思しきご婦人に大杉谷の話を…
冠 松次郎氏は大杉谷を「この渓は何と云う明るさであらう。こんなに嶮しく 狭い、森林の茂った中を穿ってくる七つ釜でさへ、而ももう午後五時過ぎだ と云ふのに、その全貌を實に明るく露呈してゐる。・・・とにかく七つ釜を 中心として大杉渓谷の美観は最も…
侮れない大杉谷 大杉谷には、大小百もの滝があるという。隠れた滝を見に行き、帰って来れ なかった人がいた、と言う話を幾度も聞いたことがある。かつての危険極ま りない桟道は無くなり、整備された危険の少ない探勝路に替わったが、それ でも滑落事故は後…
大杉谷と冠 松次郎わたしは若いころに黒部峡谷のことを書いた冠松次郎氏の著作を幾度も読み返していた。氏は『大台ケ原山と大杉谷』という著作を残している。その内容の一部を紹介したい。 「堂倉山の家から半日余り大杉谷を下って、森林や、瀧や、釜などの…
茗溪大杉谷 山高きが故に貴(たっと)からず、というのなら、 谷深きが故に貴からず、と言い換えるのも、あり かもしれない。 大杉谷は茗溪である。雨や雪の多い日本には名渓 数多あれど、大杉谷のように断崖に幽邃な原生林 を見ることが出来、容易に河床に…
熊野灘の彼方には観音浄土があるという。浄土には現世の飢えや疫病 などの苦しみはなく、安穏に暮らすことができるのだろう。そこへ行 くにはわずか6メートルほどの「補陀落渡海舟」に乗らねばならない。 甲板の小さな船室を四方から鳥居が囲み、内部は大人…
はぐれ雲の下には熊野灘
紫色の雲の下には何があるのだろうか
二倍望遠(PG200mm)だと こんな感じ
夜明けまでは まだまだ間がある
世の中、暗いニュースばかりで出口が見えないけど…
どういう訳か この春はミツバチの姿を一度も見ていない。 新型コロナウイルスに駆逐されたわけではあるまいに。