しんしんと雪の降る中を歩く。肌を刺すような風はなかった。
農家の庭先や母屋の軒下に洗濯物が干されている。洗濯物が乾
くまでに幾日かかるだろうか。脱水機どころか全自動洗濯機の
なかった時代には、木製のタライで固形石鹸を用いて手洗いを
したものだ。
撮影場所は金木町藤枝集落。風雪除けの “カッチョ” と防風林の並木道
が長い距離つづく。今ではこのような光景を見ることはできない。
雪が降ろうが、雨が降ろうが、洗濯物は屋外に干したものである。
子どもの頃、凍りついて硬くなった洗濯物で遊んだものだ。
撮影年:1970年代