chikusai diary

昭和という時代に どこででも見ることができた風景を投稿しています。

京の民家#3 今宮神社門前 名物あぶり餅屋



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   今宮名物あぶり餅   

   一和(右)さん と かざりや(左)さん。一和さん
は何と創業

   一千年余だという。『枕草子』や『源氏物語』が書かれていた

   時代には、すでにお店があったというのだ。清少納言 あぶり

   餅を賞味し「あぶり餅ぞ をかし」と言ったかもしれない。



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   一千年の歴史を侮ってはいけない。京の老舗のコワいところは、

   貴方が土産物の品定めをしているように、店の女将は客の

   「品定め」をする所にある。もし、お店に入った貴方は、店に

   ふさわしい客であるかどうか「値踏み」をされていると思った

   ほうがいい(冗談ですよ)。



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皆さんマスクしてはるわ


   昔は、それぞれの店の前で おばあさんが客引きをしていた覚えがある。

   どちらの店に入ろうか迷ったものだ。

   このあたりの景色を見た覚えのある方は、きっと「鬼平」のファン

   だったに違いない。



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今宮神社東門より一和さんを望む



   清少納言一条天皇後宮に仕えた正歴4年(993)頃は、
   都で疫病(天然痘)が流行していたという。 疫病とは関係
   ないが、清少納言は『枕草子』のなかで、こう言っている。


    「神社のなかで印象に残るのは布留の社生田神社、祭礼

   の時の御旅所花ふち神社。 杉で知られた三輪の御社は、

   杉の目印があるのだろうと興味ひかれる。ことのままの明神

   は、人の言う通り、願いを聞き入れて下さるという名前であ

   ってたいへん頼み甲斐がある。…余りたくさんの願いを聞き

   入れ、無理ではないのかと思いもし、神様に同情してしまう。」


    ここに今宮神社の名は出て来ない。何故だ? 
    この間、あぶり餅をお代わりまでして 美味しそうに食べて
   いた
ではないか。




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今宮神社本殿(写真左が疫社)



   今宮神社の起りは八坂神社と同じ?   

   今宮神社の起源はというと、清少納言が仕えていた中宮定子様の

   夫である 一条天皇の御代正歴五年(994)に、都の悪疫退散を祈

   り御輿を造営し紫野御霊会を営んだのが「今宮神社」の起こりだ

   という 。これは祇園祭の起源ともいわれる祇園社の御霊会と同じ

   ように思える。 元々この地には疫神を祀る社があったようなのだ。

   八坂神社門前 中村楼の稚児餅は疫病を除けるという。ひょっとし

   たら今宮神社門前のあぶり餅も同様のものかもしれない。

   山鉾町で売られる笹で作った粽も疫病を除けるのだという。



 

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