chikusai diary

昭和という時代に どこででも見ることができた風景を投稿しています。

京の藪医師・竹斎先生東国へ下る(吸出し のことなど)

 

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蛸の吸出し

 

chikusai diary」の名の由来

ご年配の方はご存知かと思うし使った方もいるかと思う。

民間療法(?)に「タコの吸出し」を使って身体の化膿した部位の膿を

切開せずに吸い出すという治療がある。幼いころ、その薬を化膿した部

分に塗り治療した覚えがある。緑色したスライム状の薬(成分は不明)

を塗ると次の日には化膿した部分の膿がガーゼ(そんな気の利いたもの

が家にあったかどうか)に付き、膿は吸い出されている、というもので

あった。

 

江戸時代の物語に『仮名草子』というものがある。京で食い詰めた、藪

医師と世間から言われている竹斎先生が江戸に向うという物語である。

その竹斎先生は、旅の途中で井戸に落ちた人を助けるのに蛸の吸出し

井戸のフタに塗り人を吸い出すという話がある(失敗に終る)。とにか

くやることがハチャメチャなのである。結構読まれていたようで、彼の

松尾芭蕉の『野ざらし紀行』にも竹斎の名が出てくるのできっと読んで

いたのだろう。当時流行していた梅毒の治療なども行っていたらしく、

竹斎先生が現代に生きていたなら、新型コロナに対してはどんな治療を

行うか興味がある。

 

何を言いたいかといえば、わたしのブログ名は「chikusai diary」と名

付けている。名はその竹斎先生から借用したのだ。実は「はてなブログ

を始めようと思ったきっかけは、わたしが東国から陸奥への旅を竹斎の

名を借りて、ハチャメチャな物語を語ろうと考えてのことだったのだ。

 

しかし初心を貫くというのは容易ではなかった。「つかみ」から始めて

みたのだが、途中からあらぬ方向へ向かってしまったので、どうにも初

志貫徹というわけには行きそうもない。それはまた別ブログ(はてな

でやることになりそうだ。

で、chikusaiブログは過去に撮影したモノクロ主体のブログになりそう

なのである。「chikusai diary」 と訳の分からないブログ名を付けたの

には、そういう理由があったのだ(関心ないだろうけど)。

 

掲載した写真は「すいだし膏薬」を製造している店らしい。三十年前に

撮ったもので、すでに店は無いだろう、と思っていたらまだ健在であっ

た。「すいだし膏薬」は今でも需要があるのだろう。